
PrEP(プレップ)は日本語で曝露前予防内服と呼ばれる、セックスする前に飲むタイプの抗HIV薬です。残念ながら日本ではまだ(2020年6月時点)保険適用外ですが、世界的には次第に有効性が検証され、利用が広まっています。
ゲイカツ!では、日本でも広くPrEPが広まり、みんなが使える予防方法になることを期待しています。
PrEPってどんな薬?
PrEPは、セックスをする”前”に薬を飲むHIV予防方法の名前です。
飲み方はデイリーと呼ばれる1日1錠飲む方法と、オンデマンドと言われるセックスの前と後で飲む方法があります。デイリー予防法を続けた場合のHIV予防効果は99%と言われ、かなり効果が高いことがわかります。性交渉の前後に飲むオンデマンドは90%くらいです。利用者はまだ少ないですが、利用者の中ではデイリーの使用法の方が少し多い印象です。
PrEPは実はHIVの予防方の名前で、実際の薬の名前は、「ツルバダ配合錠」、「デシコビ配合錠」という2つの薬がPrEPの薬として承認されています。なのであなたがもしPrEPを試すときはどちらかの薬を飲むことになります。
PEPとは何が違うの?
PEP (Post Exposure Prophylaxis)は暴露後予防と呼ばれ、セーフではないセックスをしてしまった人がHIVに感染するリスクを低下させる予防策です。
HIVに感染しうる性交渉から72時間以内の方が対象になります。
PrEPは日常的に飲んで予防、PEPはセックス後に飲む予防方法と覚えておきましょう。
日本でPrEPを使うには?
日本でPrEPを使うには、以下の方法があります。
個人輸入する
個人輸入に関してはPrEP@Tokyo(HIV 予防薬 PrEP についての日本語情報サイト)が詳しいです。

クリニックで外来して処方しても
いくつかのクリニックでは、HIV予防の外来を受け付けています。
あおぞらクリニック
初回及び14日後の診察及び即日検査費用として 30,000円(税別)
28日間の薬剤費として 280,000円(税別)
パーソナルヘルスクリニック
PrEP:24,000円(4錠)
PEP:9,500円(1回分)

実際に使っている人はどのくらいいるの?
日本ではまだ保険適用がないこともあり、ゲイの中でも知っている人が約1/3、使ったことがある人は約2%程度という少なさです。まだまだ認知が広がっていない状況が伺えます。

https://prep.ptokyo.org/wp/wp-content/uploads/2019/09/prepinjapan_report_H30.pdf
さいごに
PrEPはセックスの前に飲むことでHIVの感染リスクを減らす予防方法です。予防率は99%と効果が高く、世界保健機関(WHO)も2015年に「全てのHIV感染ハイリスク群にPrEPの選択肢が提供されるべき」との考えを示しています。
日本では、個人輸入やクリニックでの処方がありますが、保険適用外で値段が高い状況です。
HIVは1990年代に猛威をふるい、かかったら死ぬ、恐ろしい病気を認識されました。一旦は数が減ったHIVですが、2000年代に入ってから緩やかに増えているという事実があります。
管理人の小太郎の友人にもHIV陽性だけど元気に生きている人がいます。今後も元気に生きていって欲しいと思いますし、現代の医療では長生きできる可能性は高いです。
PrEPを知らなかったという人も、この記事を読んでPrEPとPEPと言った方法があるということを頭の片隅に入れておいてもらえると、何かあったときに役に立つかも知れません。
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